知られざるアニメーション モントリオール

知られざるアニメーション

短編アニメーション作品と作家の紹介、アニメーション映画祭情報。

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モントリオール

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藝大の視察で、岡本教授と15日夜からモントリオールに来ている。
一昨日は、前のエントリーでも書いたシネマテーク・ケベコワーズ(Cinémathèque québécoise)を見学。カナダのアニメーションの資料の収蔵がとても充実していて、今回もちょうどアニメーションの展覧会があり、マクラレンが作画していたテーブルや、『算数あそび』、『フェリックス』、『老人と海』、『木を植えた男』、『飢餓』(CGだけど、線の動きを設計した原画がある)、『恐竜ガーティ』、『エア!』などの原画を見る事ができた。地下の収蔵庫にはもっと多くの原画やポスター、映画のスチール等がストックされていた。監督や俳優毎に雑誌などの記事を切り抜いてストックしてあり、僕のファイルもあるという。変な気分だ。こういったアーカイブが日本にぜひ欲しい。

午後はConcordia Universityのアニメーションコースを見学。 到着したらいきなり学生がまっているから、お話を、と今回学内を案内いただくCilia Sawadago教授に言われ、唐突にレクチャーを始めなければいけなかった。こちらは大学の見学だけのつもりだったので、戸惑ったが、念のために持っていった自分の作品のDVDを上映して、質疑応答に答えながら話をした。あとで聞いた話では学生は満足してくれた様でよかった。
ここの学部は3年間で修了、NFBの監督も沢山教えにきていて、クリス・ヒントンさんも長年教職を務めていた。以前うちで手伝ってもらっていた清瀬さんもここの大学の卒業で、ヒントンさんが先生だった。そのヒントンさと一緒に韓国プチョンでお会いたPeter Rist教授ともお目にかかって少し話ができた。

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以前台湾国際アニメーション映画祭でお世話になったイ=チョンさんが、フレデリック・バックさんの次男、フランシスさんと結婚されていて、バックさんとのディナーに誘っていただき、フランシスさんのお宅で楽しい一時を過ごした。バックさんは今84歳、いつまでもお元気でいていほしい。
思えば自分がアニメーションの世界に興味を持ったころ、バックさんは現役で製作をされていた。アニメーションを始めたのが40代の頃と遅いデビューだ。広島で『木を植えた男』がグランプリ、パルンが続々と作品を出し、クエイ兄弟やニック・パークが新人という映画祭での環境が、自分の中でひとつの基準になっていたから、どうも今の映画祭に満足できないのも仕方ないかもしれないと思った。
『カフカ 田舎医者』を製作していた時、なぜかいつもバックさんの事を考えていた。一枚一枚の絵に心を込める事。スタイルは違うが、アニメーションに対する情熱や愛情は世界共通だと思う。


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昨日、17日はNFBの見学。二度目の訪問で、いろいろと新鮮な驚きがあった。どこまで製作中の作品に言及していいか分からないので、あまり詳しくは書かないが、来年、再来年はNFBの短編がとても楽しみな年になりそう。特に今回製作現場を見学した中では、ミシェル・レミューさんとテオドール・ウォシェフさんの作品が楽しみ。
自分自身のNFBとの製作の話もプロデューサーのマイケル・フクシマさんと打合せをして、一つ前進した。しかしこれからまだまだ考えなければ行けない事、試さなければいけない事が沢山あり、今回の見学での刺激を大切にして制作を進めたいと思った。

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クリス・ヒントンさん、ノーマン・ロジェさん、ジャネット・パールマンさんらも合流して沢山のNFB関係者とディナー。
下の写真はレストランの近くのセント・ローレント通りの有名なスモークミートの店。『Ryan』でライアン・ラーキンが覗き込む店で、この通りでラーキンは物乞いをしていた。胸が痛くなる。(ラーキンへの僕の思いはアニメーションズでの評論『ライアン・ラーキン、創造と現実』を読んで下さい。)

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  1. 2009/03/18(水) 20:47:27|
  2. 日記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

コメント

バックさん

山村さんの「田舎医者」とF・バックさんの「木を植えた男」にはけっこう共通点を感じていました。どちらも一見3次元的・写実的な絵を描きながら、2次元でしかなしえない変化の仕方をしているように見え、魅力的でした。
  1. 2009/03/20(金) 01:02:58 |
  2. ken kaziu #-
  3. URL |
  4. [ 編集]

2人の作家

フレデリック・バックさんの息子さんの家での2人の作家の出会いは印象的でした。
ひとつ横の椅子から眺めていた私は、遠くからはるばる訪ねてきてくれた若い友を気遣い、自分のはるか思い出話を面白おかしく語る巨匠と、彼の体調を気にしつつも一瞬一瞬を記憶に刻みつけようとする作家の気迫あふれる緊張を目の当たりにして、これはただならぬ事件に立ち会っているに違いないという思いが込み上げてきていました。
  1. 2009/03/20(金) 12:35:32 |
  2. Mitsuko Okamoto #-
  3. URL |
  4. [ 編集]

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