知られざるアニメーション 映画

知られざるアニメーション

短編アニメーション作品と作家の紹介、アニメーション映画祭情報。

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ミツバチの羽音と地球の回転

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 一昨日、鎌仲ひとみさんの新作「ミツバチの羽音と地球の回転」の試写を見に、映画美学校へお邪魔しました。鎌仲さんとは久しぶりに会えて嬉しかったです。試写会なので時間も限られ関係者も多くゆっくり出来なかったのが残念でした。鎌仲さんとは『遠近法の箱』のドキュメント『どうしてあるのかな著作権』以来の長いお付き合いですが、最近は会う機会が少なく、いつも難しいテーマに挑んで世に問うていることを尊敬の眼差しで陰ながら応援していました。
「ミツバチの羽音と地球の回転」は、「ヒバクシャ ~世界の終わりに~」「六ヶ所村ラプソディー」につづく核をテーマにしたドキュメンタリー3部作の最後ですが、3作はすべては繋がっていて、そして映画が終わっても現実へと繋がっています。

ヒバクシャ ~世界の終わりに~ [Amazon]
六ヶ所村ラプソディー [Amazon]

「ミツバチの羽音と地球の回転」は、上関原発建設に苦しむ山口県祝島の人々の生活と、脱原発を国民投票で決め、2020年までに石油にも依存しない社会づくりをめざしているスウェーデンのエネルギー問題の取り組みを描き、日本のエネルギー問題の硬直化を考えさせられます。最近もアメリカ南部のメキシコ湾で大量の原油流出事故がおこっていますが、化石燃料や核という厄介で恐ろしい物質に電気エネルギーを頼っている今の現状はあまりに危ういです。

 映画を鑑賞している間中、胸がわさわさとゆさぶられるような感動がありました。何十年も原発反対のために精神と時間をさかれて気の毒な状況に置かれている祝島の人々は、自分たちの考えに自信をもってたくましく生きている。同時に映画は、おばあちゃんたちや村で一番若い成人の孝クンたちの姿をとてもけなげに、そしてカワイく捉えていて、それと原発による湾の豊かな生態系のホットスポットの危機の問題とがシンクロして、小さな海の生き物も人も、生きとし生けるもの全ての存在が、存在することそのものに大きな価値と役割があるのだということを感じさせてくれるからだと思います。
 豊かな多様性を維持するためには「持続可能な社会」を目指す取り組みを誰もがそれぞれの責任で果たさなければいけない、と素直にポジティブに思わせてくれるのです。

公開は6月から全国順次上映とのことですが、その前にも各地でお披露目上映会が予定されていますし、ぜひ気に留めて少しでも多くの方に見ていただければと思います。

「ミツバチの羽音と地球の回転」
公式サイト:http://888earth.net/guidance.html
公式ブログ:http://888earth.net/staffblog/
  1. 2010/05/09(日) 21:04:40|
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少女たちの日記帳

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 僕が2003年『情熱大陸』に出演した時のディレクターの岸善幸さんとカメラマンの神山健一郎さんと、先日飲む機会がありました。『頭山』のアカデミーノミネートの際にロスでの密着取材や、その前後5ヶ月近くの密着取材で、とてもぼくのことを理解してくださり、以来、なにかと気にかけていただいていて、今回は、テレビマンユニオンの社内報のインタビューの打ち合わせを兼ねた会でした。
 岸さんは社内での責任ある立場とともに、テレビ界のベテラン演出家として、最近は難しい社会問題にフォーカスあてたドキュメンタリーをドラマ形式で見せていく手法でぞくぞくと良作を作り続けています。同じ1964年生まれの映像作家として活躍されていることがとても嬉しいです。
 昨年の8月6日にNHK-BSで放送された『少女たちの日記帳 ~ヒロシマ・昭和20年4月6日-8月6日~』も評価が高く、ぼくは総合で放送されたダイジェスト版(45分)しかまだ見ていなのですが、悲劇的な内容を、悲惨さを描くのではなく、生の肯定的な側面から悲しさを訴えかける演出に、ラストは号泣してしまいました。
 その『少女たちの日記帳 ~ヒロシマ・昭和20年4月6日-8月6日~』が、今回新宿バルト9にて劇場公開されるそうなので、是非未見の方、お出かけください。

NHK-BSドキュメンタリー・コレクション
『少女たちの日記帳 ~ヒロシマ・昭和20年4月6日-8月6日~』
テレビマンユニオン(2009)
ディレクター 岸 善幸
2月7日(日) 13:30~
2月9日(火) 16:00~
新宿バルト9にて
  1. 2010/01/22(金) 11:53:13|
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戦場でワルツを

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映画『戦場でワルツを』の推薦コメントと
http://senjowaltz.exblog.jp/11476801/
チャリティー・トートバックを描きました。印刷ではなく原画の一点モノです。
http://senjowaltz.exblog.jp/11498967/
http://senjowaltz.exblog.jp/11506237/
http://senjowaltz.exblog.jp/11513096/

チャリティー・トートは、映画の原題:waltz with Bashirにちなみ「Waltz with Peace」をテーマに、映画を応援する有志で作られた一点モノのトートバックがオークションにて販売されます。売上金は、国連UNHCR協会に全額寄付され、難民支援に使われるそうです。
オークションの前に作品展がROOTOTE GALLERY 渋谷パルコ店で11月17日(火)~25日(水)まで開催されます。

本編はシネスイッチ銀座で11月28日から公開です。
とても力強く、考えさせられる映画です。表現はアニメーション、戦争と難民を描いたノンフィクション的なスタイルですが、主人公の記憶を巡る旅の構成になっていて、主題は人間の「記憶」についての映画だと思いました。
いま見終わってからしばらく時間が経って、自分もあの戦場にいたような記憶の感覚が残っています。

チャリティー・トート
主催:クラウンジュエル 11月28日よりオークションスタート!
協力:スーパープランニング
寄付先:国連UNHCR協会 
11月17日(火)~25日(水) 作品展開催
@ROOTOTE GALLERY 渋谷パルコ店(パルコ パート1 B1F)

『戦場でワルツを』公式サイト:http://www.waltz-wo.jp/
  1. 2009/11/08(日) 13:06:57|
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プレイタイム

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昨日久しぶりにジャック・タチの『プレイタイム』(1967)を観ました。ビデオやDVDで10回以上は観ているのですが、劇場で2、3回感涙してしまいました。
『プレイタイム』、未だに同じような映画は他に存在しないのではないでしょうか?あらためて生涯ナンバーワン映画の位置に変わりがないのを再確認しました。

いま新宿ケイズシネマで1日2回上映しています。
徹底的に作り込む事で、できあがる何気なさ、作為による無作為、タチの映像を「作る」精神、姿勢を見習うために、映像制作に興味のある人は必見です。
  1. 2009/08/06(木) 09:29:30|
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砂の影



配給宣伝でお世話になっているスローラーナー製作の映画『砂の影』がユーロスペースでレイトショー公開中です。
懐かしい8ミリフィルムで撮影された劇場映画という事で話題になっていますが、真っ向から映画に向かっていく姿勢の感じられる、いわゆる「媚のない」作りに応援したくなります。

>砂の影ブログ「山村浩二さんに、教えて8ミリ!」

というインタビューもちょっと前に答えました。
久しぶりに8ミリカメラと映写機を引っ張りだしました。


愛用だったPowerBookがDVDドライバーが壊れ、ボディもひび割れて接着剤でくっつけているひどい状態だったのと、旅行に携帯するときの重さに閉口していたので、発売すぐに飛びついたMacBook Airでいまこのブログを書いています。
最新のMacOSの進化と細かな配慮に喜んでいるのですが、8ミリカメラと比較するのも変ですが、デジタル機器は何でもできるようで、8ミリカメラを昔手にしたときの様な無限の創造の可能性を感じる事がないのが不思議です。
  1. 2008/02/25(月) 21:33:17|
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街のあかり



先日アキ・カウリスマキの新作『街のあかり』の試写を見てきました。まったく観客にこびる事ないストイックな映像に、ブレッソンの「ラルジャン」と重なりました。ラストには心震え、ここ近年のカウリスマキ作品の中でも出色の出来だと感じました。「映画にこれ以上なにが必要なんだい?」と問われている気がします。
公開は、ユーロスペースで7/7から。
今年は、カウリスマキ生誕50年+ユーロスペース25周年の記念イヤーで、世界初のカウリスマキへのインタヴュー本の完訳「アキ・カウリスマキ(仮)」(ピータ・フォン・バーグ著)が愛育社より2007年7月上旬刊行予定なんですが、その本の表紙のイラストを描く事になり、一ファンとしては光栄の至りです。

アキ・カウリスマキ[Amazon]
「街のあかり」公式サイト:http://www.machino-akari.com/
  1. 2007/05/30(水) 10:38:37|
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ブニュエルの箱



 ルイス・ブニュエルのメキシコ時代の作品は、日本ではほとんど紹介されていないが、初期と後期のフランスで撮られた有名な作品以上の傑作がゴロゴロしている。紀伊国屋書店から発売されているDVD BOXは、Vol.1に不条理劇の最高傑作『皆殺しの天使』(映画史上最高傑作のタイトルでもあると僕は思っている)はじめ、『河と死』『幻影は市電に乗って旅をする』、Vol.2は『ビリディアナ』『ナサリン』『砂漠のシモン』と宗教と人間の本質を鋭くえぐり出した作品群。まったくユニークでクールな独自の映画言語を構築したブニュエルの才気がみなぎるメキシコ時代の傑作、秀作が並ぶ素晴らしいセレクションだ。映画作家はもちろん、アニメーションを志す人も必見。先月手元に届いた最新のVol.3には『ロビンソン漂流記』『それを暁と呼ぶ』(このタイトルもいい。ゴダールが確か引用していた)『糧なき土地』と、長年見たいと思っていた作品が並び、仕事の余裕ができたら早く見たくてしかたがない。しかしいまは残念ながら2時間のゆとりがとれないので...
 箱のデザインは、ブニュエル映画ファンなら思わずニンマリ、そういえばブラザース・クエイの「ストリート・オブ・クロコダイル」にも同じ箱が出てきた。現代の映像作家は、50~60年代(『糧なき土地』は32年の作品)にこれだけ超えた表現があった事を自覚して創作に望まなければと思う。
■ルイス・ブニュエル DVD-BOX1~3[Amazon]
  1. 2007/03/06(火) 08:56:39|
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ダニエル・シュミット

 ダニエル・シュミットが亡くなった。64歳。「ヘカテ」は、もし「最も美しい映画」のベスト10を選べと頼まれたら多分入れるだろう、耽美に震える1本だ。「ラ・パロマ」も忘れられない。シュミット監督自身が出演した「アメリカの友人」の殺し屋はとてもはまり役だったと思う。90年代に入ってからの作品は未見だが、64歳とは若すぎる。新作を撮影中だったと聞くが、残念だ。ご冥福をお祈りいたします。
  1. 2006/08/07(月) 18:09:53|
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若さなき若さ

 ルーマニアの宗教学者、ミルチャ・エリアーデは、素晴しい幻想小説作品を多数残していて、私は大変興味を持って愛読している。エリアーデの小説は、時間から逸脱するテーマが多く、文体も現実の時間感覚からはずれて異次元(あの世や夢)の中から現実を覗き込んだ様な感覚を覚え、現実の実存を理解するきっかけを感じさせてくれる。この所「時間」をテーマにアニメーションをずっと考えている自分にとって、いつかアニメーション化できないかと思っている作家だ。天才数学者とさまよえるユダヤ人を描いた『ダヤン』が好きだが、これは長編映画向きで自分には手に追えなそう。ところで、巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督が、エリアーデを原作に、8年ぶりに新作を制作していて、完成が楽しみだ。その映画『Youth Without Youth』は、 復活祭の夜落雷にあった学者の若返りを描く『若さなき若さ』が原作で、コッポラが大変感銘を受けて、映画化に踏み切ったと聞く。「エリアーデ幻想小説全集(3)」(作品社)に収録されているので(『ダヤン』も)興味ある方はぜひ一読をお薦めするが、あのコッポラでさえ、この映画化は自主制作だという。もちろんアニメーションの自主制作とは予算の桁が大違いだが、コッポラの元に届く企画は、ギャングものばかりで、しかたなく自主制作に踏み切ったそうだ。コッポラほどになっても自分のやりたい事を本当に理解してくれる人はなかなか居ないと言う事か...
■Youth Without Youth公式ホームページ
■エリアーデ幻想小説全集(3)1974‐1982 [Amazon]
  1. 2006/01/17(火) 08:55:49|
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