知られざるアニメーション アニメーション作品

知られざるアニメーション

短編アニメーション作品と作家の紹介、アニメーション映画祭情報。

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Web Designing』で「ヤマムラ月報」連載中
カフカ 田舎医者』5/30 DVD発売

ピカピカ


PIKAPIKA © トーチカ

光の残像で絵を描く。人の肉眼では見る事が不可能な描く人のイメージの軌跡を長時間露光のデジタルカメラで捉え、それが動き出す。これはアニメーションの根源的な要素をうまく捉えたアイディアで、大変感心しました。現実世界の中にアニメーションが溢れていることを発見させられました。モンノカヅエとナガタタケシの2人による『ピカピカ』ワークショプを通して撮影された映像を小気味よくシンプルにまとめたセンスも光っていて、参加者の楽しさが見る側にも伝わってくる。僕もオタワでほんの少しワークショップに参加したけど面白かった。

ピカピカ公式サイト
トーチカ公式サイト
  1. 2008/01/26(土) 12:09:15|
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ペルセポリス


persepolis (c) 2007. 247 Films, france 3 Cinéma

(監督:マルジャン・サトラピ、ヴァンサン・バロノー 2007 95分)
マルジャン・サトラピ の自伝的同名コミックを原作に、原作者自ら監督した長編アニメーション『ペルセポリス』が公開中です。イラン激動の時代を体験した主人公・マルジの成長を回想の形式で描いています。グレイ諧調の美術が味わい深く、アニメーションも比較的さりげない演技と動きで美しい。欲をいえば原作の太めで抑揚のある線のままで動かしてほしかった。原作と線やキャラクターが変わってしまう問題は、この映画に限らずアニメーションとコミックの関係性で大変気になる問題です。この事については別の機会に書いてみます。
自伝的内容なのに、程よい距離を保ちながら歴史、政治、文化、女性差別、家族の問題がバランスよく織り込まれていて、長編アニメーションとしてとても素晴らしい仕事を成し遂げた監督に敬意をもちました。
前半の少女時代もかわいくていいのですが、後半のウィ−ンへ行く所からうつ病になるあたりが物語として面白かった。おばあちゃんのいくつかの名言は素直に心に残ります。

公式サイト
ペルセポリスI イランの少女マルジ[Amazon]
ペルセポリスII マルジ、故郷に帰る[Amazon]
ペルセポリス-オリジナル・サウンドトラック- [Amazon]
  1. 2008/01/11(金) 10:15:21|
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待っていた男


(C)NFB The Man who waited(Theodore Ushev 2006 - 7 min 24 s)

今年は、カフカにはじまりカフカで終わった一年だった気がする。
最近、NFBで制作されたフランツ・カフカ原作のアニメーションを見た。今年の締めくくりにこの作品を紹介したい。
カフカ『掟の門』を原作にして、木版画調の絵でFlashで制作された『待っていた男(The Man who waited)』。監督のセオドアは、ブルガリア出身でカナダ暮らしている。この原作もカフカの『城』の様に、いつまでたっても入れない門について書かれた短い小説だ。しかし、比較的理解しやすいオチがある。オーソン・ウェルズがカフカを原作に作った『審判』の導入部分でアレクサンドル・アレクセイエフのピンスクリーンの絵(動かないのでアニメーションではない?)でも同じストーリーが描かれていた。セオドアの作品の方は、丁寧な作りで、カフカのイメージのひとつのあり方を示している良作だ。
セオドアとは偶然、この間ハンガリーとスロヴェニアの5〜6時間の車の旅を共にした。初め、どんな作品の作家か分からず、初対面だと思っていたら、ザグレブでも会っていたらしい。愛・地球博でもワークショップをしていて、僕の展示も見ていると聞いてやっと分かった。Flashでセンスのいいアニメーションを作っている作家だ。この時のもう一人の同乗者がこちらも最近紹介した「ライフライン」のTomek Ducki だった。
この『待っていた男(The Man who waited)』が収録されている「STORIES & DESTINIES」というコンピレーションDVDは、このブログで紹介した『』『ある一日の始まり』『愚か者の村』『ハッピーエンドの不幸なお話』など傑作が沢山収録されている大変お買い得なDVDだ。残念ながら日本では発売されていない。しかしNFBはいまだによい短編アニメーション制作し続けていている。僕の次回作もNBFとの共同制作の予定だ。
セオドアと分かれる時「次はNFBで会おう。」と言われた。僕もそう願っている。
  1. 2007/12/30(日) 21:25:55|
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ゴールデン・エイジ


Golden Age(Series/2007/Aaron Augenblick)

Aaron Augenblickによる、Flashの短いシリーズで「アニメーション産業」を強烈にパロディーとして描いた作品。特定はしてないがディズニーやジャパニメーションやコマーシャルのクラッシクな人気キャラクターのそれと臭わせる設定で、それぞれの人気キャラクターが実在していたと仮定して、その人生の繁栄と衰退をニセ・ドキュメンタリーとしてでっち上げている。ヒットラーや昭和天皇、麻薬、病気、スキャンダルなど危ないギャグ満載。「産業」に翻弄される「アニメーション」の姿を批判と愛情の両方で描き出している。公式ホームページで視聴できる。

Golden Age 公式ホームページ
  1. 2007/12/26(水) 10:09:07|
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マダム・トゥトゥリ・プトゥリ


"Madame Tutli-Putli"(2007、Chris Lavis & Maciek Szczerbowski)

今年もあと少し、一年を振り返ってみて印象に残ったアニメーションで「作品」として単独で紹介していなかったものを数本、なんとか年内に紹介したいと考えています。
トゥトゥリ・プトゥリ婦人の汽車の旅でのサスペンスを人形アニメーションと実写、CGで描き出したChris LavisとMaciek Szczerbowskiによる短編映画『トゥリ・ピュリ婦人』。この日本語表記で正しいのか、「Tutli-Putli」は造語なので、とりあえずこれで許して下さい。「人形アニメーション」とう視点から見ると、どうして「実写」を使うのか?と大いなる疑問をもってしまった作品。
「実写」を使った部分はその情報量による表現力は凄いのだけれど、「ズルい」と思ってしまう。その実写部分を人形と合成する為だけに9ヶ月を要しているという。9ヶ月あれば僕だったら数千枚の原画が描ける時間だ。よく何万枚もの原画を描いた、とう部分だけで「凄いですね」、と言われてしまうが、ある表現をする為にたまたまその枚数の絵が必要だっただけで、そこを褒められてもちょっと違うと思う。しかし昨今CGが一般的になると、CGだからなんでもできると思って、映像表現そのものに「驚かなく」なっている傾向がある。CGもかなり手間のかかる技術で実際多くの人の「手」によって作り出されているのだが、その手間の部分では誰も驚かない。でも考えると「駒撮り」だから凄くて、「実写」や「CG」だから凄くない、とうのも変な話だ。
ただどうしてもこの作品を見ると、アニメーション、CG、実写という「技術」の質の違いに目がいってしまう。いろいろな映像技術を組み合わせてひとつの世界を構築していくのは、いまや映像制作では当たり前の事で、この作品は巧にそれぞれを合成、融合してるにもかかわらず、それぞれの「技術」の質の違いが、純粋に作品を楽しませる事の弊害になっていると感じてしまう。
ただロトスコープを使っているとしても(これもロトスコープがズルい、とう気持ちが入っている。なぜか?)、映像の中で創造されたトゥリ・ピュリ婦人の仕草にリアルな「女」を感じさせられる事が、この作品の一番の驚異であり魅力であることは間違いない。

公式ホームページ
  1. 2007/12/25(火) 10:19:36|
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Jeu 2006 3分51秒

ジョルジュ・シュヴィツゲベル(Georges Schwizgebel)のもっとも新しい作品、「技」は、その日本語タイトル通り、「技あり」な疾走感にあふれた小品だ。セルゲイ・プロコフィエフの曲から発想し、息子さんに1年練習させて演奏したという曲にあわせて、めくるめく円環するメタモルフォーゼを繰り返すその画面は、見るものをよろめかせる。形と位置を自在につなげる事ができるアニメーションならではの快感にあふれている。
NFBからDVDが発売されている。
>公式ホームページ
>NFB Data
  1. 2007/12/14(金) 21:30:27|
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ドレス


THE DRESS Jelena Girlin, Mari-Liis Bassovskaja (Nukufilm Oü) Estonia, 2007, 6'30"

エストニアで数少ない女性監督による『ドレス』は、人体を喚起する記憶と痕跡でいっぱいの美的なオブジェの豊かさを通して感銘を与える。創作者は、アニメーションが詩でありうる事を理解し、草や土、昆虫、布など、ナチュラルな素材の変質、変化、生成は、親密に「女らしさ」の本質に関連する隠喩的な意味を作成する。そして、ギロチンと包丁がカタルシスへと導く。
初見は、クエイ兄弟のフィルムの影響を強く感じて、すこしネガティブな見方をしてしまったが、クエイ作品より、地に足がついていて、明確なイメージと映画的語りの独自性を獲得している。ただの雰囲気だけの追随者ではなく、ヴァレリアン・ボロヴツィク、シュヴァンクマイエル、ブラザース・クエイの系譜に繋がる、新しい道を示した作品の登場だ。
>Film Data
  1. 2007/12/12(水) 09:14:21|
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ライフライン


LIFE LINE Tomek Ducki (Moholy-Nagy University of Art and Design) Hungary, 2006,6'25"

「ライフライン」は、異なったサイズのギヤによって人の形に作られたキャラクターが、それぞれのギヤのレールの上を進むとういう、人生の知的な比喩のアニメーション。ストーリーの、特に後半に疑問も残るが、シンプルなデザインで、優雅な動き、音と音楽の映画的な構成は学生作品とは思えいないクオリティーだ。
  1. 2007/12/11(火) 15:39:30|
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ラバトリー・ラブストーリー


© Melnitsa 2007
Lavatory - Lovestory / Konstantin Bronzit / 2007 / 9'15


コンスタンティン・ブロンジェットはシチュエーション・コメディーが得意な作家だ。『Switchcraft』では、一つの部屋とスイッチ、『地球の果てで』は、チャップリンの『黄金狂時代』のような、三角形の頂点に立っているシーソーのようにゆれる家、『The God』は、千手観音(?)の像とハエだけ。一度つぼにハマるとおかしさが倍増していく。絵柄や動きは、『地球の果てで』までは明らかにポール・ドイエセンの影響を感じたが、この所の作品は、非個性的といってもいいくらい特長がない。だからこの『ラバトリー・ラブストーリー』を見た時もクレジットがでるまで、彼の作品と気づかなかった。しかし、コンスタンティン作と分かって、その演出の巧みさに納得もした。個人的にはまずラブストーリーというものに全く興味がない。映画でも恋愛が主要なテーマだととたんに白けてしまう。今回は審査という目で見ていたので、個人的な趣味や好みの眼鏡ははずして見ていたせいもあり、テーマやキャラクターの好き嫌いとは別の次元で、良さが伝わった。有料式のトイレの管理人のおばさんの恋物語。日本ではなじみがないが、フランスなんかではよく映画にも見かける。ロシアでもあるのだろうか?狭いトイレの中、花束だけを小道具にして、サイレントで見せきる演出力はさすが。今の短編アニメーションに欠けている「シナリオを練る」という、映画ではあたり前の仕事をしっかりとして、あとは丁寧なアニメーションを付ければ、ここまでの仕上がりといういい見本だと思う。
  1. 2007/12/03(月) 18:30:26|
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飢餓(ハンガー)


La Faim/Hunger(Peter Foldès/1974/11分22秒)© NFB
ピーター・フォルデス監督、プロデューサーは『三角形のダンス』のルネ・ジョドワン。
最初期の2Dコンピュータ・グラフィック・アニメーション。飽食への強烈な諷刺をコンピュータによるメタモルフォーシスで描いた傑作。新しいメディアを使いこなそうとしつつ、制御不能な感じで変形を繰り返す動きが、食いつ、食われつの関係とリンクして迫力を生んでいる。
>La Faim/Hunger[NFB]

  1. 2007/09/06(木) 09:15:05|
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Koji Yamamura