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短編アニメーション作品と作家の紹介、アニメーション映画祭情報。

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話の話



Tale of Tales 1979
最近イギルスでClare Kitson著「Yuri Norstein and Tale of Tales」が出版された。ひつとの短編アニメーションに関する内容だけで1册の本が作られたのはすごい事だと話題になっているが、日本では高畑勲・著「話の話-映像詩の世界」以来、ユーリ・ノルシュテインに関する本が沢山出版されている。私も拙文ながらが「ユーロ・アニメーション-光と影のディープファンタジー」でノルシュテイン作品についての解説を書いた。「ユーリー・ノルシュテインの仕事」は、パリで開かれた個展のカタログを発展させた本だが、原画の図版が多く、制作を志す者には必須の画集になっている。「フラーニャと私」で永年ノルシュテイン作品の撮影を勤めた故アレクサンドル・ジュコーフスキーへのノルシュテインの追悼文はずっしりと重く、私は個人的に涙が出そうになった。絵本も含めると世界で一番多く本が出版されていて、作家自身の認知も高い国のは、母国ロシアや他のヨーロッパ諸国より日本ではないかと思う。NHKでも何度か番組になっているし、阿佐ヶ谷ラピュタのふゅーじょんぷろだくとのサポートも大きな要因だと思う。
「話の話」の雨水に濡れた大きな林檎のシーンで流れている曲は、スヴァトスラフ・リヒテルが演奏しているJ.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第8番 変ホ短調プレリュードだ。この曲が入ってるCDを十数年前に買って、ずっと愛聴盤になっている。
ノルシュテインの作品は、ほとんど70年代に制作されている。'79年の「話の話」以後は、オムニバスの「冬の日」やCM作品、テレビ番組のタイトル映像「おやすみなさいこどもたち」(これも信じられない程の傑作!)を除いて、ノルシュテイン単独の短編作品はない。長編「外套」を20数年ずっと制作しているためだが、すでに完成した「冬の日」もまた自分のパートを撮り足してリメークしてるとも聞く。信じられないような仕事への執念には、どこから来るのだろうか?
いわば最後の短編「話の話」は、繰返し見ないと理解するのは難しい作品だ。「話の話-映像詩の世界」の解説は丹念で、作品理解には欠かせない本だと思う。アニメーション映像がここまで多層的に意味を含む事ができたのは、他の世界のどんなアニメーション作家も成し遂げられない永遠の高みに達してしまっている。しかし、別の切り口でもいいので「話の話」に匹敵する作品に出会えないのか、といつも期待して映画祭などに参加しているのだが...。
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■CD J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集全巻(スヴァトスラフ・リヒテル)[Amazon]
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  1. 2005/09/26(月) 10:45:46|
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