知られざるアニメーション アレクサンドル・アレクセイエフ

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アレクサンドル・アレクセイエフ



Alexandre Alexeieff(1901〜1982)

 アレクサンドル・アレクセイエフ作品の魅力は、画像が生成される瞬間に立ち会う快楽だ。
 ピンスクリーンという特殊な技法のため、撮影前に絵を用意しておく事が出来ないので、一コマ一コマ映像の流れを少し先を予想しながら、でも今作り出している画像に神経を集中して、イメージを創造なければならないからだ。これは映像の瞬間、瞬間に世界を創造してくアニメーションというメディアの持つ魅力の一つでもある。
 ピンスクリーンとは、10センチほどの針を数万本敷き詰めた白いスクリーンに照明をあて、針の長さの調節で、一番長い時は黒、最も短くなると白、その中間は無限のグレイの諧調を生み出す事ができる装置で、アレクセイエフとクレア・パーカーによって生み出された。私は実際、アレクセイエフのピンスクリーンの唯一の後継者、ジャック・ドゥルーアンに、NFBのスタジオでピンスクリーンを触らせてもらったが、へらや、瓶、櫛などいろいろな凹凸のある物体で押して、レリーフの様にピンを出したり、縮めたりすると、その形の像になる。日本の地方の科学館などでも同じ原理の玩具が設置している所もあるので、自分の手や顔を押し付けて遊んだ事がある人もいるだろう。実物のピンスクリーンは、黒い0.1ミリほどのピアノ線が白いビニールのチューブに入っていて、これを束ねて面にしているので、ピアノ線の両端はなんの加工もなく、顔を押し付けると怪我をしそうだが。
 ドットの集合で画像を作り上げるというピンスクリーンの考え方は、CGの画像がピクセルの集合で作り上げられているのに似ている。ただ、CGは何万色と色が使えるのに、この装置では白黒の画面しか作る事が出来ないので、やや時代の産物の感があるが。(ジャック・ドゥルーアンは、照明にカラーフィルターをつかって、色実をつける工夫をしているが...)ただ現在のCG映画には、脳から直結した画像の生成の快楽がない。しかし今いろんなインターフェースが開発されているので、今後、手で触って画像を作り出していく作品が生まれる事を期待する。(近いものはメディア・アート的な作品で見た事があるが、だいたい中身がなくて、その場限りのお遊びに終わっている。それとも私が知らないだけで、すでにどこかで傑作が生まれているのか?)
 アレクセイエフの作品では、ムソルグスキーの音楽のイメージをアニメーション化した「禿山の一夜」が好きだ。はじめに述べた、画像の生成の瞬間に立ち会う快楽がある。もうすぐDVDも発売されるので、久しぶりに見直してみたいと思う。
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  1. 2006/07/06(木) 09:56:54|
  2. アニメーション作家
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