知られざるアニメーション 禿山の一夜

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禿山の一夜

Une nuit sur le Mont Chauve 1933


アレクセイエフが発明したピンスクリーンは、ピンの影だけで像が形つくられるので、写真機で映し出された像の様に、光と影だけの存在が、スクリーンに確かな形として映し出される。それも現実の光の反映の写真とは違って、あくまで人が描いた、空想上の「像」が実存している。実際のピンスクリーンを見るととても不思議な印象を受ける。その画像は、光がないと存在せず、光をあてると浮き上がってくるのだ。
先日、20年代の伝説の映画『魔女』(DVD 魔女[Amazon])という、古今の魔女に関する資料と、中世の魔女狩りを忠実に再現したパート、現代(といっても1920年)の魔女に繋がる精神病の再現など7つのパートからなる珍しい映画を見た。今見るとさほど出来がいい訳ではない特殊メイクの悪魔と魔女達のザバドのシーンが、当時の役者たちの表情と陰影の具合によって、妙に生々しく感じ、本当の魔女の集会を撮影したのではという気がしてくる。この映画を見ていて、『禿山の一夜』の事を思い出したのだ。余談だがこの映画に数カット、駒撮りによる特撮(アニメーション)が使われていた。
アレクセイエフの『禿山の一夜』も、不鮮明な画質も作用して、風に吹かれた案山子が突然、意志をもって動き出したり、陰影の深い顔がぐにゃりと変形したり、ムソルグスキーの同名音楽からインスピレーションを得た闇夜の魔物の集会を、目に見える像として実態化した映像そのものが、魔術的な幻想味を帯びているアニメーションだ。夜見る夢の「像」が、現実の「像」となって立ち現れる、そんな印象。目が覚めたままで見る夢。
■NAAシリーズ アレクサンドル・アレクセイエフ作品集[Amazon]
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  1. 2006/09/12(火) 09:04:55|
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