知られざるアニメーション アニメーション作家

知られざるアニメーション

短編アニメーション作品と作家の紹介、アニメーション映画祭情報。

08月の記事を見る « 123456789101112131415161718192021222324252627282930 » 10月の記事を見る
Web Designing』で「ヤマムラ月報」連載中
カフカ 田舎医者』DVD発売中

ヴァンサン&ステファン



Panic in the village」の作者ヴァンサン・パタールとステファン・オビエ(Vincent Patar + Stephane Aubier)と先月末トークをした。かなりクレージーな作風で、蚤の市で買ったフィギアを組み合わせて色を塗った人形だけでアニメーションを作ってしまう。カタカタとゴッコ遊びの様な動きで、フィギアの台座を堂々と使っているのは、日本の人形浄瑠璃の黒子の様に、支持体自体が、暗黙の形式化となっていて、そのいい加減さが魅力になっている。「真剣」に「遊べる」自分達の方法を見つけた彼等は、ある意味幸せな作家だと思う。
人形アニメーション作家の様に、人形自体には愛着はなく、壊れても何とも思わないと言っていたが、上映会のフタッフ達がフィギアを欲しがってもこれだけは挙げられないと、大切に機内に持込んでベルギーに帰っていった。(他のセットなどは別送していた。)次回作は、数億円の予算で長編「Panic in the village」も企画中だとか。
■パニック・イン・ザ・ヴィレッジ「ケーキ」篇-試写
■DVD Panic in the Village vol.1[Amazon]
  1. 2005/12/16(金) 09:53:00|
  2. アニメーション作家
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ニック・パーク



Nick Parck b.1958
3/18から有楽町シネカノン、渋谷アミューズCQNほかで公開するウォレスとグルミット初の長編「野菜畑で大ピンチ!」のプロモーションで来日してるニック・パークさんと雑誌「ピクトアップ#39」('06年2月発売、随分先ですが。)の対談で、本日(10/22)新宿某ホテルで会う。「野菜畑で大ピンチ!」は、「チキン・ラン」のなんとも苦しい感じとは、一変、ホームに帰って来たリラックスと楽しさに溢れ、ウォレスとグルミットのシリーズ中でも技術、内容とも最も完成度が高いと思った。「ペンギンに気をつけろ!」でのトレイン・チェイスほど突出したアイディアは、なかなか超えられないが、例えば「ペンギン」だと、居候するペンギン、歩くズボン、博物館の盗賊とそれぞれのアイディアやキャラクター、シーンがバラバラな印象があり、それは他のシリーズにも感じたが、今回は、長編なのにアイディアとストーリー、キャラクターのバランスがとれていて、全てがうまく繋がっていると思った。細部では、教会のオルガンのギャグが一番笑った。
ニックさんとの対談内容は、雑誌で楽しんでもらうとして、今一番気になる火事の情報だけ。倉庫街の付近で若者の火遊びが目撃されているとの事だが、本当の火事の原因はまだ分かっていないそうだ。倉庫は全焼で、無くなったものを考えると落ち込むが、いくつか残っているものもあるので前向きに考えているとの事。そんな中の来日と連日の取材でちょっと疲れている様子だったが、物作りへの純粋な姿勢に力を貰った気がする。
代表作:「チーズ・ホリデー」「快適な生活」「ペンギンに気をつけろ!」「ウォレスとグルミット、危機一髪!」
■最新作「野菜畑で大ピンチ!」公式ホームページ
■Aardman公式ホームページ
■DVD Aardman collection[Amazon]
■DVD チキンラン[Amazon]
■DVD ウォレスとグルミット[Amazon]
■DVD ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ! スペシャル・エディション[Amazon]
  1. 2005/10/22(土) 23:04:24|
  2. アニメーション作家
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

大藤信郎

Noburo Ofuji 1900-1961
1924年から死の直前1961年まで、自身のスタジオで制作を続けた、日本のインディペンデント作家のパイオニア。戦前と戦後では作風が大きく変わるが、戦前は江戸千代紙を背景や切り絵アニメーションの素材として使っていたのが特徴。戦後、影絵とセロファン切り絵の技法で幻想的な大人のアニメーションを制作。晩年は仏教と海洋を題材に、切り紙のフル・アニメーションで、死とエロス、人間のエゴを描いた。もっとも早くからヨーロッパで認められた作家である。死後、遺産を基に毎日映画コンクールの中に「大藤信郎賞」が設立された。
代表作:「こがねの花」「心の力」「お関所」「かつら姫」「マレー沖海戦」「くじら」「幽霊船」「釈迦の生涯」
■大藤信郎の評伝
  1. 2005/10/18(火) 09:24:19|
  2. アニメーション作家
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:1

ルネ・ラルー



Rene Laloux 1929-2004
フランスの巨匠、ルネ・ラルーの追悼プログラムが東京日仏学院「日仏アニメーションの出会い」で行なわれた。故郷アヌシーでも追悼プログラムはなく、私の知る限りでは、2004年の台湾国際アニメーション映画祭と今回だけではないだろうか。広島の審査員で来日した際の日本人ファンの歓迎ぶりをとても喜んでいたそうだ。ノルシュテインもそうだが、日本はアニメーションを受け入れる懐が深いのだろうか。今回の日仏学院でのプログラムは、精神患者の絵とストーリーをアニメーション化した初の短編「猿の牙」を見る事ができ、とても興味深かった。学生時代「ファンタスティック・プラネット」で画家ローラン・トポール(Roland Topor)を知り、今やとても好きな作家の一人となった。ルネ・ラルー本人も絵を描くのだが、「時の支配者」のメビウス(Moebius)はじめ、例外なく他人の絵でアニメーションを制作してきた。他のアーティストのビジュアルの中に自分のビジョンを見い出してきたのは、自己表現より、共同制作を重要視した結果だろうか。
代表作:「猿の牙」「かたつむり」「ファンタスティック・プラネット」「時の支配者」
■DVD ルネ・ラルーコンプリートDVD-BOX[Amazon]
■DVD ファンタスティック・プラネット[Amazon]
■CD ファンタスティック・プラネット-オリジナル・サウンドトラック[Amazon]
■CD La Planete Sauvage[Amazon]
■DVD ルネ・ラルー短編集[Amazon]
■DVD 時の支配者[Amazon]
■DVD ガンダーラ[Amazon]
■DVD ルネ・ラルーズ・フェイヴァリッツ[Amazon]
  1. 2005/10/06(木) 08:31:51|
  2. アニメーション作家
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ルザッティ&ジャニーニ

Emanuele Luzzati 1921-2007
Giulio Gianini b.1927
イタリアのエマニュエーレ・ルザッティとジュリオ・ジャニーニは、切り紙アニメーションの作家として重要な二人組。
ルザッティが原画で、ジャニーニがアニメーター。ルザッティが描いたキャラクターを切りぬいて、ジャニーニがオペラに合わせて、動きをつけるのだが、その音楽とのタイミングの一致は素晴らしく、音楽にシンクロするアニメーターとして直ぐ浮かぶのが、オスカー・フィッシンガーとノーマン・マクラレン、そしてジュリオ・ジャニーニだ。ジャニーニはルザッティの絵以外にも絵本作家のレオ・レオニ(Leo Lionni)やフォロン(Jean-Michel Folon)のイラストもアニメートしている。レオ・レオニのアニメーションは、日本でVHS化された。
エマニュエーレ・ルザッティによる豊かな色彩のパステル画の魅力は、モーツアルトの「魔笛」を映画化した中編アニメーションで頂点を極めていると思う。その画力は、オペラなどの舞台美術でも高い評価を得ている。
エマニュエーレ・ルザッティは2007年他界している。
代表作:「泥棒かかさぎ(La Gazza Ladra)」「L'Italian in Algeri」「アリババ(Ali Baba)」「プラチネラ(Pulcimella)」「Concerto per gatti」「魔笛(Il Flauto Magico)」
■VHS 世界絵本箱(1)スイミー[Amazon]
  1. 2005/10/01(土) 11:03:15|
  2. アニメーション作家
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

イーゴリ・コヴァリョフ

IGOR.gif

Igor Kovalyov b.1954
イゴーリは、私と同じくプリート・パルン・フリークである。実際本人もパルンの強い影響を認めている。彼のフィルムは、シュールで、物語の断片を暗示しながら、何かの予感に満ちている。その何かは理解するのは簡単ではない。イーゴリ・コヴァリョフは、ウクライナ生まれで、現在はロスで「ラグラッツ ムービー」のコ・ディレクターをしなかがら、会社とのギブ・アンド・テークで自分の好きな短編作品を平行して作っている。彼の作品はシュールで夢の論理でモンタージュされている。映画通で、一度オタワで会った時、鈴木清順と三池崇史の話題で盛り上がった。
代表作:「Hen, His wife」「Andrei Svislotsky」「Bird in the Window」「Flying Nansen」「Milch
■Igor Kovalyov dot com
  1. 2005/09/30(金) 13:14:08|
  2. アニメーション作家
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1

ベルナール・パラシオス



Bernard Palacios b.1947
10/2、14:00から東京日仏学院でベルナール・パラシオスさんと座談会をします。日本では1作品のみDVD「雪深い山国」で紹介されているが、「雪深い山国」はとても人気があり、「黄金の森の美女」で広島へ来た時、ご自分のファンの多さに驚いていた。ベルナール・パラシオスは、グルノーブルで美術を学び、1970年から1980年まで故郷アヌシーで美術講師を務める。1980年からはJ.フランソワ・ラギオニの主宰するスタジオ〈ラ・ファブリック〉に参加。アヌシーはじめいろいろな映画祭でこどものためのワークショップを開催。自らも「みどりのとかげ」という小さなアニメーションフェスティバルを主催している。短編以外にも子ども番組向けに沢山アニメーションを制作、ジャック=レミー・ジレールの長編の美術スタッフも勤めている。その素朴な動きと絵柄、美しい色彩で、繊細な心の動きと大切な何かををすくい取る、素朴で素直なアニメーションは、現代の歪み、捻くれた我々の心に清涼な風を贈ってくれる。2006年春日本コロムビアから作品集DVD発売。
代表作:「夜の鳥」「雪深い山国」「黄金の森の美女」
■東京日仏学院「日仏アニメーションの出会い」
■京都精華大学「日仏アニメーションの出会い」
■DVD 雪深い山国[Amazon]
■ベルナール・パラシオス傑作選[Amazon]
  1. 2005/09/20(火) 09:15:25|
  2. アニメーション作家
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ビル・プリンプトン

Bill Plympton b.1946
今インディペンデント・アニメーション界のスターになってる感があるアメリカのビル・プリンプトン。毎作品世界中の映画祭で上映されては、爆笑を巻き起こす。肉体を不条理なまでに痛めつけるギャグは、グロい現代のテックス・エイヴリーか。実際本人もテックス・エイヴリーのファンだと明言している。動画の中割りがほとんどなく、キーフレームだけの動きが特徴で、作画枚数が少ないからか、作品を量産して、長編も6本、ほとんど個人作業で仕上げている。
代表作:「YOUR FACE」「HOW TO KISS」「ONE OF THOSE DAYS」「THE WISEMAN 」「ガード・ドッグ
長編:「スーパー変態ハネムーン 花婿はヘンな人(I married a strange person)」「Mutant Aliens」「HAIR HIGH」
■VHS The Tune[Amazon]
■DVD Mutant Aliens[Amazon]
■VHS I married a strange person[Amazon]
■DVD スーパー変態ハネムーン 花婿はヘンな人[Kinokuniya]
■DVD 国際アートアニメーションインデックス~広島国際アニメーションフェスティバル傑作選 Vol.1[Amazon]
■Book The Sleazy Cartoons of Bill Plympton[Amazon]
■AWNドローイング
■Acme Filmworks デモ
■公式ホームページ
  1. 2005/09/08(木) 09:15:16|
  2. アニメーション作家
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ノーマン・マクラレン

Norman McLaren 1914-1987
1930年代から80年代までの50年間に、約70本のアニメーションを残し、オスカーをはじめ200以上の国際賞を受賞しているノーマン・マクラレンの歩みは、カナダ国立映画製作庁NFBの歴史でもある。1941年に、ジョン・グリアソンの招待でNFBにアニメーション部門を作り、NFBの作家主義、個人制作のスタイルを確立した。
マクラレンの独自性のベースには、音を抽象的にアニメーションで表現するオスカー・フィッシンガーやフィルムにダイレクトに加工を施すレン・ライのなどの先駆者の存在があるが、(オスカー・フィッシンガーには直接影響を受け、レン・ライの存在は、マクラレンがダイレクトにフィルムに絵を描く実験をしていた頃は知らなかったとされている。)その創造性、ユーモア、および技術的な実験は、いまだに多くのクリエーターに影響を与え続けている。
フィルムの音は光学録音の場合、映像の横のサウンド・トラックの部分に白い波形として記録されるが、マクラレンはこのサウンドトラックに絵や記号を描く事で、音をアニメーション的に創造したり、人間を駒撮りしたり、パステル画を描いては消してイブ・タンギーやダリのような幻想的な絵を動かしたり、黒く現像したフィルムの乳剤を針でエッチングの様に削って絵を描いたり、技法の実験も面白いが、「カノン」の最後の章に挿入される猫と蝶、「マラレンの開会の辞」「算数あそび」などのユーモアのセンスも素晴らしい。反面「幻想」「ナルシス」など暗い印象の作品もあり(特に晩年)、個人的に私生活や人間性にも興味があるのだが、実生活の情報は少ない。「垂直線」「水平線」「モザイク」「色彩幻想」「算数あそび」などで共同制作した、切り紙アニメーションの作家エブリン・ランバート(Evelyn Lambart)と、私生活でも関係があったかどうか分からない。マクラレンは多分生涯独身だったと思われる。マクラレンの弟子、レネ・ジョドイン(Rene Jodoin)は、1966年からNFBアニメーション部門のフランス語部署の責任者として10年ほど勤めているNFB創立時の重要人物だが、彼との共同制作「球の羅列」では、音楽にカナダの生んだ天才ピアニスト、グレン・グールドのピアノ曲を使用している。「色彩幻想」ではジェズ・ミュージシャンのオスカー・ピーターソンと競作している。マクラレンは自らも実験的な音楽を造り出しているが、作曲家の常連では、音楽分野で革新者、モーリス・ブラックバーンとは長いつき合いである。
ジェネオンから発売されている3枚組のDVDは、50作品を収録していて、世界でも稀にみる集大成となっている。
代表作:「ブギー・ドゥードル」「つぐみ-小鳥のファンタジー」「隣人」「色彩幻想」「線と色の即興詩」「算数あそび」「カノン」「シンクロミー」「パ・ドゥ・ドゥ」「ナルシス」
■プロフィール
■DVD ノーマン・マクラレン作品コレクション[Amazon]
  1. 2005/08/26(金) 08:59:07|
  2. アニメーション作家
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:0

ウェンディ・ティルビィー&アマンダ・フォービス



Wendy Tilby & Amanda Forbis
ウェンディ・ティルビィーは、キャロライン・リーフの得意としたガラスの上に油絵の具で直接絵を描いては撮影する、ペイント・オン・グラスの技法の後継者で、NFBのホープだった。ただ女性的な優しさが、私には甘さに感じられ、もう一つ作品が弱いと思っていのだが、しかしアマンダと組んでからは、強度と深みが増して完成度が上がった。5年の歳月をかけた「ある一日のはじまり」は、オスカーノミネート、カンヌのパルム・ドールはじめ多くの賞に輝く。
フランスの映画祭で二人に会った時の印象は、まるで夫婦のようで、アマンダが男性的な理性の面、ウエンディが女性的な感性の部分を受け持っているのが感じ取れた。私の今準備しているNFBプロデュース作品は、この時、アマンダに「いつかNFBで作品を作ってみたいんだ」と話したのを、彼女がプロデューサーに伝えてくれたのが切っ掛けだった。(2003年から延び延びになって制作はまだはじまっていない。)
ウェンディ・ティルビィーが一人で制作した「ストリングス」「やすらぎのテーブル」は、DVD「雪深い山国」に収録されている。
代表作:「ストリングス」「やすらぎのテーブル」「ある一日のはじまり
■Acme Filmworks デモ
■DVD 雪深い山国[Amazon]
  1. 2005/08/16(火) 10:20:52|
  2. アニメーション作家
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
« 前のページへ | ホーム | 次のページへ »

Koji Yamamura