La Salla(Richard Condie/1996/8分11秒)© NFB部屋のおもちゃと少年のナンセンスな関係が、メロドラマ風のイタリア語で歌われたオペラにあわせ展開する
リチャード・コンディの3Dコンピュータ・アニメーション。いま見るとちょっとチープなCGが、ストーリーとテーマにマッチしていて、アイディアと世界観、映像のタイミングなど作家性がしっかりしていればCGでも興味深いアニメーションにできると思った作品。
次第に混乱してく部屋。少年の頭が取れて、胴体が大砲で牛を顔めがけて発射。「ちょっと前、私には、すべてがありました。今は鼻に牛があります。」と歌うアリアの可笑しさ。アカデミー賞短編アニメーション部門ノミネート。
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- 2007/09/05(水) 11:32:52|
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dream storage(大井文雄/6分32秒/2006)ここの所「知られざるアニメーション」作品の紹介を怠ってきた。古い作品ばかり紹介していても、きっかけがないとモチベーションが上がらないのと、なかなか面白い新しい作品に出合えていないのが大きな理由だが。これからCGをテーマにいくつか僕が気になる作品を紹介したいと考えている。自分としてはCGとアニメーションはカテゴリーを分けて考えたいが、世の中的にはそうも言っていられないし、分類できない作品も圧倒的に多いので、現実的ではない。
G9+1(著書:
世界に発信!クリエーターのアニメ術[Amazon]
DVD付き。)のメンバー、大井さんの自主制作CG作品。コンピュータがひと部屋ほどの大きさだった最初期からCGを手がけ、「みんなのうた」など子ども番組などで多くのアニメーションを手がけてきた大ベテランが、まったく自由に自身の作品と向き合って完成させた。
CGのプログラムの事は詳しく分からないが、「偶然性」を入り込ませたプログラムによって作り出される画面は、「美しさ」を感じさせる。ただただ見ていて気持ちがいい。
CGの可能性のひとつを垣間みれる作品だ。
- 2007/09/04(火) 09:43:05|
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RATATOUILLE(2007/監督ブラッド・バード)
昨日娘とディズニー/ピクサー「レミーのおいしいレストラン」を見てきた。夏休みも最後で、かなり空いていた。
CG映画の未来には期待はしていないが、ピクサーはCGでもちゃんとアニメーションしているので、なんだかんだ今まで見てきている。今回もまず、CGの技術には、目を見張った。水に濡れたネズミの毛の表現は、すばらし出来だ。ガラスや金属のボールなどCGが得意とする質感も、映り込みやライティングなど完璧で、違和感無く世界に浸っていられる。ネズミの関節や筋肉の重さも感じさせる動きの精密さなども凄い。パリの町並みもよく再現されていて、木の葉などCGが不得意そうな質感もよく出来ていて、自分がネズミサイズになって、データのなかに入っていった気分だった。いままでCG長編を見ると、真空の無機質な空間に長時間いたような息苦しさがあったが、それは質感や湿気の表現でかなり軽減されている。とはいえやはりなにか仮想現実を見ていたという空しさは見終わったあと徐々に感じ始めてはいるが...
プロットがとても計算されていて「料理好きのネズミが人間の世界でシェフとして成功する」というまったく漫画的で、現実味のない話しを映画として成立させてしまっている力技は、ここまで練られてるとあざとさを通り越して気持ちがいい。レミーは人間の言葉を理解して、文字は読めるが、話しは出来ないこという物語上都合のいい設定にも目をつぶってしまう。というか、レミーの料理に対する無償の愛と情熱に普通に感動してしまった。
才能あるスタッフを組織する力に驚き、その勝利だ。巨大工房の良質な映画でした。
- 2007/08/28(火) 09:35:00|
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Blinkity Blank(1955/5分 15秒) マクラレンが「NORMAN McLAREN The Master's Edition」に収録されているあるインタビューの中で「どうして『鳥』のモチーフをよく使うのか?」と聞かれ、答えに困りながら、人間より関節がシンプルで、うんぬん...と無理して答ていたが、僕もたまに「どうして魚がよくでくるのですか?」とか質問されてこまる事がある。いろいろな必然から登場させてるのだと思うが、ほんとの所は「たまたま」としか言いようがない。果たして質問者はどんな答えを期待してるのだろか?
確かにマクラレンの作品には鳥や卵がよく出てくるが、これはマクラレンに限った事ではないし、アニメーターは鳥や蝶や蝿を飛ばすのが好きな様だ。「線と色の即興詩」は赤と青の2羽の鳥のやり取りを中心に、抽象性を保ちながら独自の「モーション」を展開する傑作だが、別のインタビューでこの作品について、「はじめ1羽の鳥をいろいろ動かしていて、やがてすぐ飽きてしまって、2羽の鳥にする事を思いついて、そこから新しく展開が始まった」と話していたが、これはとてもシンプルな理由からアニメーションの「物語」が生まれた瞬間だと思った。
このアニメーションは、日本では「シネカリ」と呼ばれる技法で作られていて、真っ黒に現像されたフィルムの乳剤を針などでエッチングのように削りだすことで、光の線を描き出す。80年代、8ミリフィルムでよく「シネカリ」を使ったアニメーションが作られていたが、個人作家へのこの作品の影響力は強い。
数コマおきにまったくなにも描かない真っ黒なコマがあって、それが独自のタイミングと残像効果を生み出している。この事を
ブルーノ・ボシェットは、マクラレンの天才性の理由のひとつに挙げていたが、この効果、やはり「NORMAN McLAREN The Master's Edition」の別のインタビュ−のなかで、「いままでは、透明なフィルムにペンで絵を描く技法を度々使っていて、この場合はグリッドを当てる事で、前の絵との位置関係を見比べる事が出来るが、真っ黒なフィルムだとそれが出来ないし、一コマずつの境目も分かりにくいのでズレてしまう、だから数コマ飛ばして、アバウトな位置で動きが繋がる様に描いた」と言っていた。作っていく中で、仕方なく生まれた効果の様だ。これこそアナログで作る面白さ、スムーズにつなげて描くという自分の意志を材料の側から諦めさせられた所から生まれた新しさだ。所詮ひとの表現、思考なんてどんなに足掻いてもたかがしれている。勇気をもっていい加減に捨て身になる事は、モノツクリに大切な事だ。
本題とはまったく関係ありませんが、虫歯予防デーの今日は、43歳の誕生日でした。家族で恒例のケーキを食べました。うまかった。
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DVD ノーマン・マクラレン作品コレクション[Amazon]
- 2007/06/04(月) 22:01:43|
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Le merle(1958/4分39秒)昨年NFBから刊行された7枚組のDVD「NORMAN McLAREN The Master's Edition」は、多くのドキュメンタリー、テストフィルムを含む現存する
ノーマン・マクラレンのフィルムの全てをデジタル・リマスターした素晴らしいDVDだ。
そのDVDでとても状態のいい「Le merle」を久しぶりに見直して、その遊び心あふれる「動く造形」にこころ踊った。
古いフレンチ・カナディアンのフォークソングにあわせ、パステルの背景に、白い丸といくつかの棒だけで構成された切り紙が、いろいろな「鳥」の様な形に変化する、ただそれだけのシンプルこの上ないアニメーションだが、そのシンプルさの中に詰め込まれたユーモアが、ただただ楽しい。テストフィルムもあって、こちらはフィルムにペンでかかれた鳥が踊っているものと、現在の形に近い白黒の切り紙アニメーションがあり、その進化の様子が、アニメーションで物を作り上げるというのはこういう事なんだよなと、気持ちよく納得できる。
日本語版「NORMAN McLAREN The Master's Edition」が、発売される事を祈る。
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DVD ノーマン・マクラレン作品コレクション[Amazon]
- 2007/06/02(土) 21:39:37|
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The street(1976)
僕は、今まで同居している家族を失った経験がない。子どもの頃近所に住んでいた祖父母が亡くなったのも僕が東京に出て来てからだ。だから想像するしかできなのだが、身近に暮らしていた者の死は、「悲しみ」はもちろんだが、理解できない「奇妙さ」を感じるのではないのだろか。また親と子ども、それぞれの立場の違いで受け止め方も違ってくるのだろう。
カナダの文学者、Mordecai Richlerの本を原作に、
キャロライン・リーフが制作した「ストリート」は、祖母の死を通して、家族のそれぞれの流動的な感情と人間関係の移り変わりを、流動的な画材の動きで表現した。この技法は、ガラスの上でグリセリンを混ぜた絵の具で一コマづつ描いては消していくので、その原画は一コマづつ失われていく。
■NFBのサイトで全編観れます。
» The streat■DVD『
NFB傑作選 イシュ・パテル、キャロライン・リーフ、ジャック・ドゥルーアン作品集[Amazon]
』に収録されています。
- 2007/04/26(木) 11:58:40|
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The Big Snit(1985)ウィニペグのNFBで働くリチャード・コンディのユーモアにあふれたこの作品は、「ビッグ・スニット」という言葉合わせのゲームで、口論になった夫婦と、世界的な核戦争を平行して描く事で「争い」のバカバカしさを軽妙に描き出す。リチャード・コンディの飄々としたギャグとキャラクター造形のセンスは僕のツボにはまります。
■NFBのサイトで全編観れます。
» The Big Snit■もしくはこちら。
» The Big Snit
- 2007/04/20(金) 10:38:41|
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Notes on a Triangle(1966)カナダNFBのプロデューサーで監督の
ルネ・ジョドワンが1966年に製作した『三角形のダンス』は、抽象アニメーションの傑作のひとつだ。ワルツの三拍子に合わせ、三角形が回転しては、組合わされていろいろな形に変化していく万華鏡のような画面。ひとつひとつの色の選択、形の変化は、ジョドワンの美学に基づき展開されていくので、音楽の小節ごとに心を動かされる。コンピュータが発達した今、このシンプルな幾何学模様に動きをつけるのは、学生でも出来る様に思うかもしれないが、音楽の演奏も数学的に割り切れている様で、その実かすかな揺らぎに演奏者の心が反映されるのと同じく、切り抜いた色の紙を一コマ一コマ動きをつけていくなかで、表現されるタイミングの妙で、コンピュータ・アニメーションの様な冷たい味気なさとは対極の、なんともかわいく、美しさを感じさせてくれる小品だ。
■NFBのサイトで全編観れます。
» Notes on a Triangle
- 2007/04/18(水) 15:31:42|
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” L'Idee”, Berthold BARTOSCH, 1931, 仏ルネ・ラルーが影響を受け、アヌシー「
100 FILMS FOR A CENTURY OF ANIMATION(アニメーションの一世紀、100本のフィルム)」で9位に選ばれていた、伝説の切り紙アニメーション『観念』のVHSソフトをちょっと前にイギリスで入手した。あえてリンクしないが、ネットを検索してみると、映像が見られるサイトもあった。確かに美しいイメージが沢山あるが、テンポが、今見て楽しめるアニメーションではなかった。ひとつ書いておきたいのは、このアニメーション音楽にオンド・マルトノが使われていることだ。この事実は知らずに、『カフカ 田舎医者』でも使った楽器だ。ルネ・ラルーはこれを見て、ファンタスティック・プラネットを切り紙の手法で作りたいと思ったのだろうか。
- 2007/04/03(火) 16:19:43|
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(Histoire tragique avec fin heureuse/Tragic Story with Happy Ending/2005年、ポルトガル)
昨年のアヌシー国際アニメーション映画祭の短編部門グランプリ受賞作品「ハッピーエンドの不幸なお話」が、早くもDVD化されます。
作者はポルトガルの1969年生まれの女性監督レジーナ・ペソア(Regina PESSOA)。フランスのFolimage代表Jacques-Remy GIRERDがプロデュース。以下は、僕がDVD用に書いた推薦文です。
白と黒せめぎ合いから描き出される画面から、ギシギシと聞こえる主人公と世間との不協和音は、次第に幸福なハーモニーとなる。
ユニークな絵と音の構成、いろいろな感情が凝縮されて、短編っていいなと思わせる味わい深い作品。
■Tragic Story with Happy Ending 公式サイト■QTムービー(抜粋)[AWN]
■DVD ハッピーエンドの不幸なお話 その他の短篇[Amazon]
このDVDには、他に『岸辺のふたり』マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督の「お坊さんとさかな」、昨年の広島国際アニメーションフェスティバルで優秀賞を受賞した「廊下」などFolimage製作の傑作、秀作短編が収録されています。5月2日発売。
- 2007/03/23(金) 09:22:28|
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